Voice  ☆☆☆

 

大好きな山や川や谷と過ごし続けたい

 

くすのき山遊会 高橋明代(事務局)

 8月14日の早朝、豪雨が私の街にもやってきました。お盆休みの気楽さも吹き飛ぶほどの雷雨でした。

 私が住む枚方の13日0時から14日6時20分までの一時間の降水量は91oでした。街のあちこちで浸水・冠水。近くのスーパーは今も閉店のままです。そしてお一方がお亡くなりになりました。

つい最近の初級夏山の実技でも下山したとたん豪雨にあいました。大阪では環状線が止まるほどの大雨、そして雷雨でお一方が亡くなられたと帰阪してから知りました。

 数年前から「ゲリラ豪雨」と言い始め、今度は「これまでに経験したことのないような大雨」と気象庁は表現しました。その理由は「何oといわれても実感がわかないから対応が遅れた」という苦情があったからとも言われています。

 私の街の浸水・冠水は今度だけではありません。大雨が降るといつも同じところが被害にあっています。自然災害とは言い切れない、人災という一面もあります。

 地球温暖化の影響で日本のあちこちがおかしくなっています。 竜巻に年に10回も来る台風…そして豪雨。

 高温の地球…海で誕生した生命体は、二酸化炭素を吸っては酸素をはき出すという営みを35億年以上も重ねていき、大気の大改造をしました。そしてようやく陸上に我々の祖先が住める地球になったのだといいます。

 でも…1860年から比べると22倍ものエネルギーを使って生活するようになった(一人の人間が)という事実。

 大量のエネルギーを消費することが美徳とされてきた現代社会がここまでの温暖化をもたらしたと言えます。

 我々登山者は、気分でなく形容詞ではなく科学と事実に基づいた考え方を第一にしたいものです。「経験したことのない」ではなく「○oの雨だから」と振り返ることを繰り返してこそ、大好きな山や川や谷とともに過ごし続けることができるし、我々のフィールドを護るための教訓を得ることができるのだと思います。