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49回 大阪府勤労者山岳連盟総会挨拶

                   

会長・きたろうHC 園 敏雄

 

まず始めに311日に起きた東北地方太平洋沖地震の被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げます。そして2010年度山行中の事故で亡くなられた「西淀労山」「渓游会」の会員の方に哀悼の意を表したいと思います。

 

先日、出席させて頂いた全国連盟第29期第1回評議会の資料によりますと、09年度警察庁発表の国内山岳遭難が発生件数1676件、事故者数2085人、および死亡・行方不明者317人と統計を始めた1961年以降過去最高を示し事故者が初めて2000人台に突入しました。労山内の事故は漸減傾向に有るとはいえ、その内300件を占め、死亡行方不明者は09年度19人、10年度10人と重大事故が増えています。大阪労山では09年度、10年度と2年続けて2名の死亡事故が発生し猶予ならざる危機であると言えます。危機打開の一つの方策として昨年行った大阪労山登山研究集会(登研)の事故防止分科会には予定では30名の所57名の参加が有り事故防止について大きな関心が有ることが窺えました。また今年度事故一報を出された方に参加いただき事故対策会議を実施し、報告された7件の事故についてブレーンストーミング形式で意見を出し合いながら教訓を引き出し、技術論と判断を共有する討論が出来ました。なかでもハイキングクラブの事故では近畿ブロックハイキングレスキューの参加者が的確に救助活動、応急処置をされたという報告が印象的でした。このように一歩ずつ理事会で出されていた連盟で起きた事故に対する分析された報告が聞きたいと言う要望に応えて行きながら、毎年20件以上起きている事故の削減に繋げて行きたいと考えています。

 

次に全国連盟の提起で個人加盟制度導入が議論されているところですが、府連では独自の会員拡大の取組として3年計画でアタックプランを各会に提起して来ました。10年度は19の会で拡大をして頂きましたが、高齢化による活動の停滞で2つの会が脱退するなどの影響で前年比2名減の結果となりました。5年後、10年後を見つめて考えるとどの会も退会された会のような現実を迎える事でしょう。その意味では登研の組織拡大分科会で報告された会員のニーズに応えた山行の企画や、青年層(山ガールを含む)を対象にした会独自のセミナーの取組、HPの活用など様々な工夫で労山の仲間の輪を拡げて行きましょう。常任理事が皆さんの会、クラブのミーティングなどに訪問させていただき連盟の活動を少しでも理解してもらえるように努力していきますので、温かく迎えて下さるようお願いしまして開会の挨拶とさせていただきます。