第3回 救助隊捜索訓練を終えて
捜索訓練担当 運営委員 磯村薫
日時: 2014年11月16日 7:00〜
場所: 大岩岳 本部 千刈ダム 駐車場
参加者:25名
<11月15日(土) 捜索会議>
夕方から玉造連盟事務所に救助隊運営委員を中心に数名集まり、泊まり込みで明日の捜索訓練の最終打ち合わせと必要装備積み込みを行った。泥縄は否めないが地図・名簿等の資料を作成し終えたのは午前2時。本番でも準備には同程度の時間が掛かると思われる。
<11月16日(日) 捜索訓練実施>
5時30分起床6時連盟事務所発7時現地千苅駐車場着。
着後本部テント設営。訓練なので遭難役者及び付き添い者(磯村)は事前に打ち合わせた遭難場所へ行く。まるで大人の隠れん坊。だが実際に遭難したら一刻を争いいち早く見つけて貰えるよう叫び声や笛を吹く点が大きく違うのは当たり前。
7時50分本部無線で捜索開始を一斉に伝える。訓練と言えども緊張感が走る。
救助隊以外に当日朝参加者も多く計25名。本部・遭難役者を除いた人数を三班に分け本部の指示でルートを確認し効率的に捜索する。その準備も素早さが要求される。
遭難場所の地図を面で分け、ひとマス毎に潰していく方法を取り入れ、捜索隊は30分毎の定時連絡で本部へ連絡するようにしたが無線が聞き取り難かったり現場が藪こぎだったりして意外と手こずり捜索
範囲が狭まる以上に時間だけが過ぎる。
見つからなかった場合、午前11時30
分に遭難役者が遭難場所を本部へ伝え、
本部は全捜索隊へ連絡し遭難場所へ
全員集合させて搬出する段取り。
そろそろ連絡かと思っていた11時20
分、下手の沢から名前を呼ぶ聞き慣れ
た声がした。山の中は静かだが、声や笛の音は尾根や藪に遮られて意外と聞こえ難いことも分かった。
遭難場所へ全員集合後、救護隊・工作隊・回収隊に素早く分かれフィックスロープを張り、背負いで交代しながら下る。急斜面は懸垂下降用にロープをセットして無事に救出。本部へ13時30分に全員集合。反省会を行い14時に予定通り訓練終了。解散後、有志にて本部横の川でチロリアンブリッジの補講有りの訓練でした。
■参加者の感想
1)本部 このはな山の会 塚田 本部は最初から全部担当させていただいた。 現場よりも下準備の方が忙しいと思った。一通りさせていただいて初めて流れが理解できた。 本部の人数については中継要員等考えるともう少し欲しいところ。 2)本部 白峰山の会 村中 今回で3回目で本部しかしていないが、事前準備が大変だった。本日の作業自体はそう大変ではないが、事前準備の方が大変。今回より発電機、プリンターが登場したのでどこへ行っても対応ができるようになると思う。最後に本部無線の電池が切れてしまい、本部の無線台数を検討する必要があると思う。 3)A班 ピトンの会 吉野 登り始めて10-15分程度は私語が多かったので遭難者に気が付かなかった可能性がある。コールについては秩序をもって呼びかけを行い、やみくもに呼びかけても効果は薄い。パーティはあまり離れすぎずに行動すべき。行動方法については今後の課題と思われる。 4)B班 豊中労山 小前 捜索範囲が広く、時間枠内に帰還するということが難しかった。次回は時間の設定を考慮して計画を立てることも必要ではないか。最後のフィックス等で工作がスムーズにできるようになればよいと思った。 5)豊中労山 嵯峨山 無線交信で少しぎこちなさがあった。もう少し工夫が必要では?(コールサインの省略、内容の繰り返し等)フィックスについて支点の取り方に不安があった。 6)要救助者付添 此花山の会 磯村 最初の捜索隊の通過はよくわかった。1回目の通過は声をかけないルールなので静かにしていたが、以後は全く声が聞こえなかった。連絡しようとした10分くらい前に“まつもとさーん”という声が聞こえ、混乱した。 面で探すということなので1面を探すのに藪漕ぎなどですごく時間がかかっていた。面で探すことをもう少し検討したほうが良いと思う。工作に関してはどんどん先を読めるようになりたいと思う。 7)A班 L 此花山の会 松本 尾根道を中心に捜索を行った。片側が急峻な斜面になっている場所があり、面での捜索は非常に難しい部分があった。 小山内さんとはぐれてしまい、無線、集合場所等決めていなかったこともあるが、単独行動を許してしまった事に反省点がある。 8)A班 此花山の会 川田 もっと大勢の人数で深い山をやってみたい。 無線中継する要員ももっと必要になってくる。無縁では沈黙時間必要なことだけをしゃべることが求められる。ルート工作に使用した装備類は次にすぐ使用できるようにきちんとまとめて渡すことが必要。
19)隊長 AIMAクラブ 葛川 今回で捜索訓練は3度目。回を重ねるごとにいろいろ工夫していっていいものにはなっているが、新しいものも試しているので問題点も出てきている。今回は面での捜索をやってみたが、時間はかかる。面にすることによっていままでの道に沿っての捜索と違い、普段いかないであろう部分の捜索も行った。 登山道の周辺だけではいかないであろうビバーク予想地点の発見など成果はあったと思うが、範囲が限定されてしまう。人数が許せば線で捜索するチームと面で捜索するチームを作るのが良いと思うが、そうでなければ1回目は太い線、2回目にエリアを1つづつつぶしていく方法を行うのが良いかと思った。 無線の交信については聞く人に理解してもらえるように誰がどこにいてどういう状況なのかを伝えないと理解してもらえない。また、聞いてすぐ応答すると向こうに届かない。一定時間をおいて応答することが大切。 今回は救助隊以外の方も来ていただき、有意義だった。次回もぜひ参加していただきた い。今回搬出も行っている理由はザイル等装備をもって捜索している理由を意識してほ しかった。発見してから実際に搬出することで装備の意味を体感してほしくて搬出を行 うようにした。 |
9)テルル 木村 三回目の参加。初めて本格的に面での捜索を行った。GPSをフルに使用して位置の把握はできていた。実際にそこをどう進むかという点は並大抵ではなかった。実際の捜索としてはまず線での捜索を行い、面での捜索は二次段階なのではないかと思った。発見した後の合流の方法は検討の余地があると思う。 10)C班 豊中労山 長谷川 捜索訓練は初の参加。コールの仕方、目配りなどを教えていただいた。工作につても勉強させていただいた。また参加したい。 11)豊中労山 村上 今回初めて参加。なにもかもが新鮮。訓練の前に事前情報を知ることができたらもっと有意義だったと思う。 12)C班 OWCC 瀬畠 ルートを間違えて藪漕ぎをしてしまった。 また、声掛けがイマイチできていなかったことが反省点。今後は事前の打ち合わせを行いたい。GPSと照合をすると位置がはっきり出せるので捜索隊の位置情報等効果的だった。 13)豊中労山 則友 捜索訓練は初めて参加。捜索訓練なので見つかると終了というイメージがあったが、そのあとの無事に安全な場所までおろすということまで想定していなかった。今回は川田さんの言われるスピードが大切ということがよくわかった。 14)大阪凍稜会 小山内 谷に降りた時、松本さんとコールできる範囲だったが、急に無線が届かなくなった。要救助者を探すコールより同行者を探すコールの方が大きくなってしまった。要救助者の声が聞こえ、近づいて行ったら無線も入るようになり、コールができた。しかし、やはり単独行動なのでまずかったと思う。発見の喜びで連絡の方が優先され要救助者の対応がおろそかになった。もっと深刻な演技が必要かもしれない。フィックスのセッティングも不完全で課題が残る。 15)豊中労山 二宮 基本的に村上さんと同じ意見。確保のシステムがイメージできなかった。もう少し勉強したい。 16)C班 L 豊中労山 佐野 初めての参加。ルートを間違えてしまったが、茂名さんフォローをしてくれて捜索することができた。村上さんが、“せーの”で声掛けをしてくれて積極的に動いてくれたことはありがたかった。地図をもっと活用したかった。 17)要救助者 高槻労山 三宅 第一発見者は負傷者の気の高ぶりを治めるこ とから始めたらよいのでは?飲み物を与える。(温かい甘い飲み物等が効果的)次にケガ の状況を確認し、人数がそろうのを待って 救出作業に入る事が望ましい。
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19)隊長 AIMAクラブ 葛川 今回で捜索訓練は3度目。回を重ねるごとにいろいろ工夫していっていいものにはなっているが、新しいものも試しているので問題点も出てきている。今回は面での捜索をやってみたが、時間はかかる。面にすることによっていままでの道に沿っての捜索と違い、普段いかないであろう部分の捜索も行った。 登山道の周辺だけではいかないであろうビバーク予想地点の発見など成果はあったと思う が、範囲が限定されてしまう。人数が許せば線で捜索するチームと面で捜索するチームを 作るのが良いと思うが、そうでなければ1回目は太い線、2回目にエリアを1つづつつぶしていく方法を行うのが良いかと思った。 無線の交信については聞く人に理解してもらえるように誰がどこにいてどういう状況なのかを伝えないと理解してもらえない。また、聞いてすぐ応答すると向こうに届かない。 一定時間をおいて応答することが大切。今回は救助隊以外の方も来ていただき、有意義だった。次回もぜひ参加していただきたい。