山岳救急講習会 山中においての応急処置 参加報告
豊中労山 井手上 順吉
主催 大阪府勤労者山岳連盟、大阪府山岳連盟
平成25年6月22日(土)〜23日(日)
大阪科学技術センター 404号室(大阪市西区靭本町)参加費 六千円
講師 悳 秀彦 氏 (日山協遭難対策常任委員)
大阪労山 11名 大阪府岳連 22名参加
ファーストエイドとは、病気やけがや災害から自分自身を守り、けが人や傷病者を正しく救助して医師又は救急隊員に渡すまでの応急手当
下記の概要で実習
状況評価 安全確保1)自分の安全(個人差がある)2)パーティの安全
3)事故者の仲間
救急救助の手順 単純化を図り、手順通り行う
状況評価 T)安全確認 U)事故原因の評価 V)事故者の人数、装備 W)感染防御
・傷病者へのアプローチ 傷病者の視野の範囲から近づき、
視線を相手の目の近くにおく
安全・傷病の原因・数・感染防御 @手袋の脱着とビニール袋処理
初期評価→二次評価 T)意識 U)呼吸 V)循環+頭部・脊椎
初期評価 意識は? 呼吸は?循環は?頭部・脊椎は?
評価の目安 感染防御を忘れない
事故者の血液・体液には、感染の危険がある。
(手袋等、バリアの装着)
(高エネルギー外傷の初期評価)@全身観察ASAMPLE調査
(高エネルギー事故6m以上の高さから転落事故や、雪崩事故)
・傷病者の医療情報 何を伝えるか S A M P L E
S症状 Aアレルギー M内服役P病歴
L最終食事摂取時刻 E事故前の出来事(原因)
A エマージェンシーロール
B ログロール、ログリフト、リフテイングC固定(連結ザック)
大出血のコントロール
成人男性体重:60Kg全血液量 約4800mℓ
(血液量約 男80mℓ/Kg 女70mℓ/Kg)
T)評価:出血量と症状U)出血のタイプV)循環血液量減少性ショック
出血性ショックの評価 ぐ、あ、い、よ、そ、う ぐったりしてませんか 汗をかいてませんか 息が苦しそうでないですか 弱い脈になってませんか 蒼白になってませんか
どの位の出血量が危険? 軽度(10〜20%)中等度(20〜30%)重度(30%以上)
患部の汚れを洗い流す!ビニール袋、ペットボトルに小さな穴を開け、水圧を利用して洗浄する。
@
直接圧迫止血A緊迫包帯とリフィリングテストB関節圧迫C止血帯
外傷手当 @頭部・止血輪A体幹部の異物固定B眼のけがC傷の洗浄法
(止血開始時間を記録する)
(傷口は乾燥させない、しめり気を温存させる。滅菌された物を使用)
骨・関節・筋肉損傷 評価観察法@DOTS(ドッツ)評価
D 変形 O 開放創 T 圧痛 S 腫れ
@ CSMチェック 循環、感覚、動き、(手の指・足の指を動かす)
(副木を当てる前にする)
A 応急手当RICE処置 R運動を中止し、受傷部位の安静を保つ。I炎症を最小限におさえる為に20〜40分間アイシングする。C腫れを最小限に抑えるために、伸縮包帯で圧迫する。E受傷位置を心臓より高い位置に持ち上げる。
B 捻挫包帯(三角巾・冷却包帯)
C サムスプリント(万能副木)
D 応用副子(ストック、ロールマット、雨具)
熱中症 高温環境下で体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温調節機能が破たんすることによって発症する障害
熱中症の緊急処置
・風通しの良い木陰で休ませる。・
・冷却パック、凍らせたペットボトルを腋下、鼠蹊部、首筋、後頭部に当てる。
・経口補水液を飲ませる。タオルに水を浸し、風を送る。
(経口補水液の作り方と全員が試飲した、飲みやすい)
・骨盤骨折の固定 雨具、ストックで固定
講習会最後に、3名のリアルな怪我メイク遭難者(足の怪我、腕の怪我、蜂に刺されて転倒怪我)の応急処置訓練が3班に分かれ行なった。
1、事故経過時刻は、必ず記録取ること。
2、事故通報は、遭難者の情報 事故発生日時、氏名、住所、年齢、電話番号、血液型、怪我の程度を出来るだけ早く警察、又は消防に通報のこと。並行して応急処置する。山では、天候、時間、場所によっては救助到着が、遅くなる。
3、救助者が何人かいるときは、患者を、励ます人も決めること。
これら一つ一つを 悳 講師から丁寧に説明を受けながら実習した。
実技講習は練習を重ねる事で役立つようになるので、また機会があれば受講したいと思います。
《サムスプリントとは万能副木、 クイックテープとは自着包帯、 エピペンとは、ハチ刺傷、食物アレルギーなどによるアナフィラキシーに対する緊急補助治療に使用される医薬品である》
教育遭対部から注記:井出上さんは小さなノートにひっきりなしにメモを
とっておられ,それをもとにこの文を書いて下さいました.ありがとう
ございました.当日の資料のご希望は,井出上さんか中川和道まで.