Voice  ☆☆☆

新クライミング時代と女子

初めまして豊中勤労者山岳会の平林です。新任常任理事として栄えあるVOICEを仰せつかりました。現在、救助隊事務局長と岩登り体験教室校長をやらせていただいております。

2010年に中級登山学校を修了し下手なりにチビチビとクライミングを中心に楽しんでおります。むしろクライミングを通じた人との交流を楽しんでいるのかもしれません。

その結果か大したキャリアも経験もスキルもなく現在に至っております。

唯一ホットケーキに関しては、顔を見ると「今日はホットケーキはあるんですか?」と聞いてくださるお得意様もできるほどになりました。水は一滴も使っておりません。一度ご賞味ください。もちろん料金はフリーです。すみませんどうでもいい話と簡単な自己紹介でした。

さて本題ですが、最近のクライミングの人気はすごいですね。特にクライミングジム!行くたびに入会のレクチャーを行なっており、しかもその多くは女子(若手からベテランまで)。毎週毎週クライマーが増産されている感じがします。私の所属会でも初級登山学校を開催していますが、今年は12名中9名が女子です。ここ数年同じ傾向です。その中でも岩登りと沢登りの実技は大変人気があります。また、岩登り体験教室も全く同じ傾向で大半が女子です。申込者が多く、前回はチケット並みに受付開始時間を決めたくらいです。

なぜ女子が多いのかはよく分りませんが、女性のほうが男性よりもチャレンジ精神が強い、好奇心が強い、女性クライマーへの憧れなどでしょうか。何れにしても近年、クライミングが今までの命を懸けた男の冒険的なものから、楽しみ優先のレジャーに近い、極力3Kを排除したスポーツ化している気がします。冒頭に申し上げたチビチビというのは、私自身がこの流れに入り込んでいるのかもしれません。中級登山学校もここ数年、コーチ陣が大きく様変わりしてきています。我々がお世話になった重鎮、超ベテラン、冒険家コーチの方々が学校から退かれ、こちらも新クライミング時代に変わりつつあります。

このスポーツ化の流れで気になるのが安全です。クライミングをスポーツとして楽しんでいるだけで、安全についてはほとんど学んでいない状況だと思います。現在、この安全を学べるのが唯一中級登山学校だと思うのです。各会でもやられているのかもしれませんが各会の集大成が中級登山学校ではないでしょうか。もちろん中級登山学校とて完璧ではありませんが、どんどん増えている新クライミング時代の女子たちの安全に目を配れるのは我々中級登山学校修了者でその役割は大きいと思います。新時代クライマーのためにがんばりましょう!

 

2016/06/16

教育遭対部・救助隊事務局長 平林博幸