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山 行 雑 感

 

 9月の末に涸沢から奥穂高岳、涸沢岳、北穂高岳へと登ってきました。昨年は同じ時期に涸沢から北穂高岳、奥穂高岳の縦走を経て涸沢へ下るコースでしたが、今回は北穂高小屋に泊まり、さらに徳沢で徳澤園に泊まるという贅沢な山行でした。

北穂の小屋はかつて表銀座縦走コースを槍ヶ岳に登った時、大天井から見た頂上直下の小屋の灯りに、また徳澤園は何度も通った折に接した瀟洒な建物に魅せられて、何時かは泊まってみたいと願っていた宿で、仲間に無理を言って計画に入れてもらいました。

午後早く着いた北穂の小屋では、テラスから涸沢や槍ヶ岳のパノラマをいつまでも飽きもせず夕暮れ近くまで、アルコールも手伝い正に涙して眺めていました。徳澤園では食事も美味しく、下山後の安堵感もあり楽しく過ごすことができました。

ここ数年は膝痛やそこから来ると思われる腰痛に悩まされていることから、3千m級の山の縦走はいつまで続けられるのかな、これが最後かなとの思いもあり、一層充実感が湧いてきました。それと共にある人の唱えた幸福の5条件が浮かんできました。

それは

1.心身ともに健康であること

2.人間関係が豊かであること

3.自分で程よいと思う程度のお金を持っていること

4.美しいことを知る能力や感動する能力があること

5.朝起きた時にやるべき仕事があること

とあります。そして自分は結構これに該当しているなと感謝しながら山の話題に花を咲かせていました。

その後、社会や国の幸福って何だろうと思いながらも、酔いに感けて寝入ってしまいました。

 

常任理事・吹田労山 コ野 暢男