百丈やぐらの塗装工事が完了 お披露目予定です

                    教育遭対部長 中川和道 20130818

 

 百丈やぐらの塗装工事は722日に始まり, 811日に無事終了しました.工事の設定,見積もり,立ち合い検査,確認などを技術委員会と常任理事会で分担し,とくに川原健一常任理事のご尽力で無事完成にこぎつけました.

テキスト ボックス: 図1.塗装工事が完了した百丈やぐら.
カラーでなくて残念.
 百丈やぐらは19966月,労山大阪府連盟が中心となって建設しました.建設にあたっては,労山大阪府連盟をはじめ労山近畿ブロック加盟の各府県連盟,さらに大阪府岳連有志の方々,登山用品店など幅広い層から寄付やサポートをいただき,鎌倉峡のトイレ整備など環境改善も合わせて実行されたのです.20006月に労山全国連盟が招へいしたピット・シューベルト氏(以下P氏と略記)来日の際には,全国で唯一の技術交流が百丈やぐらで実現しました,そこで彼が目にしたロープのせん断性能の知識と体験が,東京に戻ったP氏と通産省との会談での「日本独自のせん断基準は有用であり必要」という発言につながり,石岡繁雄氏策定のロープせん断基準は守られたのでした.当時の記憶を持つ人もおられるでしょうが,この頃は貿易摩擦が取りざたされていました.規制緩和の掛け声とともに,ロープせん断基準が海外ロープ輸入の制限になっているとして,ナイロンザイル事件を受けて石岡繁雄氏のご尽力によって確立された岩角切断強度の基準を撤廃しようとする動きがあったのです.西本武志氏によれば東京に戻ったP氏は通産省との打ち合わせで「日本で定められている岩角切断強度の基準には意味があり,廃止の必要はない」と述べたというのですから,岩角切断強度の基準は百丈やぐらでの技術交流によって守られたのだと中川は思っています.大阪連盟の寄与は大きかったのです.

 しかしさすがに今年で築17年の古参やぐら.約10年前に大阪労山の有志が集まって自前で塗装工事を行ったとはいいますが,ペンキのはがれが著しく,対策が求められてきました.やぐら管理の責任を担っている技術委員会からの発議を受けて近畿ブロック理事長会議で全国連盟への予算要求を行うことになり,今年217日の労山全国連盟総会で予算50万円が認められたのです.

 塗装工事とともにやぐらのハード面の改造も行うことになり, [OWAF4252]メーリングリスト68日で,「やぐらの色は何色がいいか,ハード面での改造希望を出して下さい」と意見を募集しました.その結果,やぐらの色については特に意見が出ず,現状の色に決まりました.ハード面の改造については(1)4階の墜落率2のサイトの幅を広げる,(2)1階の確保を現実の状況に近づける,の意見を加えて約5点の改造を予定しています.

 塗装工事,ハード改造工事が完了したら,新装開店のやぐらお披露目の研究会を11月をめどに行う予定です.

 やぐらのハード面の改造希望や,使い方に関する希望の募集は引き続き行っています.何かアイデアをお持ちの方は,技術委員会(谷関 等 <taniyanh@f3.dion.ne.jp>)または教育遭対部事務局(高橋明代 <RXR00152@nifty.ne.jp>),中川和道climber-nak@bca.bai.ne.jpまでお寄せください.