2015全国遭難対策研究集会 実行委員会 奮戦記

中川和道

2015全国遭難対策研究集会が神戸セミナーハウスで627-28日に行われ,全国から152名が参加し大いに盛り上がった.

 主管は全国連盟遭難対策部で,近畿地方協議会(通称近畿ブロック:略称「近ブロ」)が実行事務をまかされた.全国遭対部では部長の臼井邦徳氏・部員の川嶋高志氏が主な対応に当たられた.115日に全国から実施要項案が近ブロに送られてきた.全国連盟が主管であり近ブロは事務を担当することの意味を近ブロは把握できず,ハイキングの事故に焦点をあてた研究発表会を全国連盟の意思とは別に独自に企画しようと審議を重ねていた.4月17日に大阪府連教育遭対部長の中川和道が実行委員長となったが,位置づけの間違いがあり大変混乱した.現地実行委員会ではなく現地事務局が必要であったのだ.61日の実行委員会で事態はやっと正確に把握され,事務局長として大阪府連から森浜学氏が就任し,以後大変な作業を切り盛りして下さった.ここにあつく感謝したい.

 「クライマー200名を集めよう」と全国連盟は近ブロに言ってきたのだが,当初の要項の「参加対象者」の欄には「クライマー」の明記はなく「遭難対策担当者,遭難事故防止に関心のある者」と当初はなっており「ロープを使う登山をする者」が付け加えられてやっとつじつまがあった.大阪府連では登山学校の研究集会開催が検討中であったのだが「登山学校や登山者教育が問題ではない.クライマーの事故を以下に減らすかが最重要問題だ.」と全国遭対部からは言われたのに,当日のまとめでは教育が強調され,また混乱した.中川のような下っ端に実行の役目を降ろす前に,近ブロ執行部は全体をもっとしっかり把握する必要があったと思われる.

 このようなギクシャクはいつもあるものだ.ともかくも森浜氏の獅子奮迅のご奮闘によって準備の遅れは一気に挽回され,当日は何と152名もの参加があって感動した.実行委員会連盟役員32名以外に120名も来ていただいたのである.注目すべきは大阪中級登山学校である.柳川憲一校長の報告「考える登山者に」は大きな賛同を得た.柳川校長の報告を聞こうと中級関係者20名が参加して下さった.ぽっぽ会も9名参加した.大阪府連救助隊は10名で実技デモや受付を仕切って下さった.懇親会は85名で全国から差入れていただいた地酒で大いに盛り上がった. 

 集会の内容について.概略は全国連盟発行の「労山全国連盟メールニュース2015年7月9日第17号」で紹介されている.近畿からは下記9件の報告がなされた.

大阪中級登山学校の理念と事故防止 大阪府連中級登山学校校長 柳川憲一

大阪の懸垂連続事故 会の関わり 早川 俊

大阪連盟の関わり 懸垂研究会など 中川和道

兵庫県連の山行計画連 絡会での助言 兵庫県連理事長 吉谷隆男

大阪での懸垂研究会12/23のまとめ 大阪府連教育遭対部長 中川和道 

流動分散を結ぶことの検討 大阪府連技術委員会 谷関等・中川和道  

あるハーネスの問題点 大阪府連救助隊隊員 河野良治

百丈やぐらの現状と整備がめざすもの 大阪府連 森濱 学

有志で実技体験 大阪府連救助隊隊長 葛川真 他

DVD録画など詳しい内容は中川和道 climber-nak@bca.bai.ne.jp にお問い合わせいただきい.

最後に,全国連盟 浦添嘉徳理事長・臼井邦徳氏・川嶋高志氏,滝上肇氏,現地実行委員会事務局長 森浜学氏,実行委員の葛川真氏,園敏雄氏,河野良治氏,西岡和奈さん,吉谷隆男氏,中原万亀男氏,渕上勝之氏,山下健男氏,友永芳和氏,信岡 尚氏,豊田香寿子さん,その他多くの方々にあつくお礼申し上げます.